ビジネスで成果を上げる コーチングスキルアップ CCJ

書籍・通信講座

書籍 (訳書)

「仕事ができる人」の会話術

著者 ピーター・ドリッサー(プロフェッショナルコーチ)
訳者 田近秀敏
PHP研究所
1,418円(税込)

この本をAmazonで買う

ひとことちがうだけで、ビジネス・人間関係がうまくいく

文庫版
著者 ピーター・ドリッサー(プロフェッショナルコーチ)
訳者 田近秀敏
PHP研究所
580円(税込)

この本をAmazonで買う

話は知っていることの30%にとどめればうまくいく

大切なことは、何を言うかではなく、どのように言うかである

「大切なことは、何を言うかではなく、どのように言うかである。」
この言葉が示すようにどのように言ったかで相手の反応が変わってきます。コミュニケーションでは極めて心理的な要素が作用するので人間関係の「問題」が生じやすく、私たちは毎日のようにコミュニケーションと格闘しているといってもよい状態ではないでしょうか。

実際、私たちが「問題」だと感じていることのほとんどは人間関係に起因しているのではないでしょうか。仕事の業績、上司や部下あるいは同僚との関係、顧客との関係、夫婦関係、子育て、豊かさに至るまで、そこに問題があるならば関係者と健全で支援的な人間関係を築くことができないでいることに原因があることが多いようです。
逆に、効果的なコミュニケーションによって健全で支援的な人間関係を築くことができる人は仕事でも成果をあげることができます。

『Be Your Own Executive Coach(自分自身の幹部コーチであれ)』

本書の意図は、人間関係を築きコミュニケーションをする上で何が妨げになっているのかを明らかにし、効果的な話し方と聴き方のスキルを学習することを通して、読者が自分の力でコミュニケーション能力を向上させ成功を手にしていくことを応援することです。
原書タイトルである『Be Your Own Executive Coach(自分自身の幹部コーチであれ)』からも示唆されているように、本書は「セルフコーチング」の本としてまとめられており、ですから自分のコミュニケーションの現状をチェックし、新しいスキルを活用してどこまで効果的になってきたかを自分自身でチェックしていくことができます。

原書の中でのキーワードは、Responsibility(レスポンシビリティ)、そしてその形容詞Responsible(レスポンシブル)です。
本書では「話し方」(レスポンシブル・スピーキング)と「聴き方」(レスポンシブル・リスニング)というスキルを教えるために半分以上が割かれています。
さて、「責任」と訳されることが多い「レスポンシビリティ」ですが、その意味するところは「即座に効果的に柔軟に対応し続ける能力」ということです。欲しい状態が手に入るまで、自分を柔軟に変化させつづけることをいうのです。
そういう意味では自分の能力を最大限使って前進していることでもあります。
ですから「責任を取っている」人は被害者意識に陥ることはありません。被害者意識というのは相手が悪いと攻撃していて、自分は何も変わる必要がないと言い張っている状態なのです。人間関係の現状を改善し成果をあげるためには、100%責任を取る、つまり相手のせいにしないで自分が柔軟に対応し続ける決意とスキルを必要としているのです。

本書では「話し方」「聴き方」という言葉が多く登場しますが、基本的にはそれらは「レスポンシブル」な「話し方」「聴き方」であると理解してください。すなわち、「即座に効果的に柔軟に対応し続けるために最大限の能力を発揮する話し方と聴き方」なのだということです。

著者の読者へのリクエストは、相手の言ったことを理解することの責任は100%自分にあると決意し、実際に効果的に柔軟に対応し続けるということです。また、自分の言うことを相手に理解してもらう責任は100%自分にあると決意し、効果的に柔軟に対応し続けるということです。
これは決して簡単なことではありません。言うは易く行うは難し、です。この意識と行動は優れたリーダーが持っている要素でもあります。その意味では自分の中のリーダーシップ性を磨く上でもよい練習になります。そのための戦略的コミュニケーションのスキルを本書から学び、実際のビジネスの現場で活用していただきたいと思います。

「会話はすべてセールスコール(商談)である。」と著者は言っています。明確な意図があり、辛抱強く相手の話を聴き、本当のニーズを探り、そして相手の問題を解決するための提案をし、反論を克服しながら合意形成をしていくという商談のプロセスを思い出してください。商談であるならば、顧客が感情的になったとしても、決して自分は感情に負けて相手を批判したり攻撃したり自分から耳を塞いでしまうことはありません。
むしろ相手の感情的なコミュニケーションの中に含まれている真実のメッセージやニーズに耳を傾けていこうとします。すべての会話に商談を成功させる要素を生かしてみたら、相手との関係はどのように変わるでしょうか。

訳者はプロフェッショナル・コーチであり、またコンサルタント、人材育成のトレーナーでもあります。つまり人や組織の成長や問題解決、そして目標達成を支援することが仕事です。マンツーマンのコーチング・セッションだけでも1,000人を超える人々と関わり、彼らの自己実現を援助してきました。

その体験を通して学んだことのひとつは、目標を達成しビジョンを実現する人々、「仕事ができる人」は共通して効果的で柔軟なコミュニケーションをしているということでした。
具体的には「プレゼンテーション」、人前で効果的に話す力。「リレーションシップ」、健全な人間関係を形成し、人々とともに問題解決をしていく力。そして「セルフコミュニケーション」、自分自身の心と話すことで自分にとって本当に重要なことは何かを見極める力、これは結果としてはタイムマネジメント上手として現われてきます。

以上の3つのコミュニケーション能力は、どんな仕事を選んでいても自己実現する人々にとっては不可欠の要素です。
人生は意欲だけではどうにもならないときがあります。願望は意欲に適切な能力・スキルを加えてはじめて実現するのです。本書は3つのコミュニケーション能力のひとつ、「リレーションシップ」の能力向上に役立ちます。読者は自分のコミュニケーションの質を高めることに100%能力を発揮していくためのシステムを手に入れることができるでしょう。

(「訳者まえがき」から プロフェッショナル・コーチ 田近秀敏)

ページの先頭へ

書籍・通信講座

Copyright(C) Co-CREATE JAPAN Inc. All rights reserved