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書籍 (訳書)

『NLPタイムライン・セラピー』


『NLPタイムライン・セラピー』

タッド・ジェイムズ&ワイアット・ウッドスモール 著
田近秀敏 監修
佐藤志緒 訳
ヴォイス 刊  http://www.voice-inc.co.jp/book.aspx
2,625円(税込)

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『NLPタイムライン・セラピー』表紙

タイムラインとは何か

 次の質問の答えを考えてみてください。 「今から1時間ほど前は何をしていましたか?」「先週の出来事で鮮明に覚えていることは?」「昨年の誕生日、どこにいましたか?」「中学校の卒業式のときには何を着ていましたか?」
 これらの質問によっていくつかの記憶が呼び起こされたことでしょう。 さて、1時間前の記憶、数日前の記憶、1年前の記憶、そして学生時代の記憶が混然としていないのはなぜでしょうか。 なぜそれぞれが時間的に異なる記憶だと分かるのでしょうか。
 私たちは「過去のことは水に流しましょう」「未来の扉を開ける」「過去は過去、未来は未来」「今を生きる」というような表現を自然に使っています。 これらの表現は人間の脳が時間と記憶を関係づけて保存できるということを意味しています。 タイムラインとは、その人の記憶が脳の中でどのように符号化され保存されているかを示したものです。 あなたの脳はある一定の方法で記憶を体系化しているのです。
 たとえ話をしましょう。 あなたの人生のすべての記憶が無数の写真となっていて、それらがドミノのように線上に並んだ状態で保存されていると想像してみましょう。 それは過去から現在、そして未来へと続いています。 この時間とともに保存されている記憶の線のことを「タイムライン」と言うのです。

タイムラインの特徴

 誰にもタイムラインはあります。 だからこそ、私たちはどれが過去で、どれが現在で、どれが未来かを知ることができるのです。 そうでなければ、いつ、どこの学校を卒業したのかもわからなくなり、誰と結婚しているのかもわからなくなります。 明日、自分が所属しているどの会社に出かけていくのかもわからなくなります。 そうなったら大変な事態です。 でもありがたいことに、タイムラインのおかげで過去・現在・未来を区別できるため、そのような問題が生じることを避けることができるのです。
 私たちは過去の記憶と未来の記憶を保存しています。 どちらも「記憶」と呼びました。 未来の出来事を想像すると、その情報は記憶として脳内に保存されます。 しかしどの記憶が過去のものでどの記憶が未来のものか、あなたは瞬時にわかるはずです。
 時間概念には西欧型の時間概念とアラブ型の時間概念という二種類があります。 西欧型の時間概念は工場の組み立てラインのように「出来事が次々と起こる」という直線的なものです。 それに対してアラブ型の時間概念は「時間とは今存在するもの」です。 そこには未来という概念はありません。 誰かとアポイントメントをとった場合、前者はひとりで時間通りに出かけていくでしょう。 後者ならばひとりではなく、他の人々を引き連れていくかもしれません。 しかも遅刻しがちです。 西欧型の時間概念を「スルータイム」、アラブ型の時間概念を「インタイム」と呼びます。 そして、どちらにしてもタイムラインを発見することができます。
 一人ひとりのタイムラインの形状は無意識的にプログラムされたものだと言えます。 あるやり方で記憶をプログラムしたのですから、異なるやり方で再プログラムすることができるのです。 タイムラインは再プログラムすることができる。 そして再プログラムすれば、記憶が変わる。 これがタイムラインの最大の特徴です。

タイムラインの可能性

 私(監修者)がリードした最近のセッションをご紹介しましょう。 健康的に痩せたいという女性のセッションです。 彼女が「自分は太っている」というイメージを最初に抱いたのは小学校5年生の潮干狩り旅行の写真を見たときだということを思い出しました。 友人の母親からもらった数枚の写真の中に、スクール水着を着て砂浜にしゃがんでいる姿を真後ろから撮った写真があり、それを見たときに自己イメージよりもかなり太っていたのでショックを受けたというのです。 そこで彼女のタイムラインを使って、11歳の潮干狩りの場面に戻ってもらいました。 そしてそこに写真の女の子を三次元再生して、その女の子を見る角度を徐々に変えながら横顔が見えるところまで移動しました。 そのとき彼女は「あっ、これは私じゃない。 友人の○○ちゃんだったんだ!」と言ったのです。 新しい事実を発見して、彼女の体型に関する自己イメージと信念が変化したのは言うまでもありません。 11歳のときの体験が変化するとどうなるでしょうか。 その後の人生の記憶にも素早い変化が訪れるのです。

 タイムライン・プロセスが驚くほど即効性のあるものだということは、NLP実践者ならば体験済みでしょう。 実際、タイムライン・プロセスはNLPの技術の中でもっともパワフルなもののひとつなのです。 タイムラインを活用して何ができるでしょうか。 簡潔に言えば、過去の書き換えと未来の成功の予約ということになります。
 過去の書き換えとは、出来事の変化、出来事に付着している否定的な感情や信じこみの削除、トラウマからの解放などを意味します。 私たちはタイムライン上をさかのぼり、過去にあったひとつの出来事を変えることでその後の多くの出来事に変化をもたらすことができるのです。 過去の出来事と同じように未来の出来事もタイムラインの上にあることが分かります。 タイムラインを活用すれば、未来をより魅力的なものに変えることもできます。 「自分の未来はもっと輝いていてほしい」と願うのは当然のことでしょう。 あなたは自分の手で未来の出来事をより魅力あるものに変えることができるのです。 望ましい出来事が未来の位置にあるのなら、自分のタイムラインを未来に移動して、そこにあるリソースを現在に持ち帰ることで望ましい出来事が実現しやすくなるのです。
 まるで映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のようですね。 「歴史にイフはない」と言いますが、自分の歴史にイフがあったら人生はどのように変わるでしょうか。 本書は個性を決定づけているいくつかの主要な要素に働きかけることによって、より望ましい状態と振る舞いを作り出していく画期的な方法を提供してくれます。

本書のユニークさ

 本書で紹介されている「個性の基本モデル」には人間の個性を決定づける三つの要素が反映されています。 その三つの要素とは「タイムライン」「メタプログラム」、そして「価値と信念」です。 これらの基本概念はもともとリチャード・バンドラー博士によって提唱され、発展してきたものです。 「メタプログラム」と「価値と信念」についてもたっぷりと紹介されています。 メタプログラムとは、カール・ユングが発見した人の個性と行動をタイプ別に分類したものを基礎として約20種類の類型に分けたものです。 たとえば、内向型か外向型か、思考型か感情型かなどの個性の区別を説明するものです。 メタプログラムや価値と信念をタイムラインと組み合わせることによって、人生の画期的な変化をもたらすことができるのです。
 さて、NLPタイムライン・プロセスはセラピーとしての観点からもコーチングとしての観点からも非常に価値のある道具です。 タイムラインとは、これまでの人生の歴史をものの数分で変えてしまう、実に迅速で有効な手段と言えるでしょう。 本書にはタイムラインを活用してどのような変化を人生に作り出すことが可能なのか、そのヒントと方法が多くの具体例とともに紹介されています。 本書を通して、あなたは人間の可能性の大きさに改めて興味をもつことになるでしょう。

田近秀敏
(→プロフイール

目次紹介

第1章 タイムラインとは
第2章 スルータイムとインタイム
第3章 タイムラインの見つけ方
第4章 メモリー・マネジメント
第5章 言語と時間、言葉のもつ意味
第6章 クライアントの時間の内的表象
第7章 トラウマを扱う場合
第8章 時間に関する言葉
第9章 タイムライン・セラピー実践編
第10章 タイムラインで未来をプログラムする
第11章 タイムライン・セラピー概要
第12章 メタプログラムとは
第13章 基本的なメタプログラム
第14章 複合的なメタプログラム
第15章 メタプログラムを変えるには
第16章 価値とは
第17章 価値はどのように形成されるか
第18章 価値の進化
第19章 価値、信念、観念の葛藤を解決するには
第20章 概念の階層
第21章 価値を変える
第22章 価値の活用、変化法

さらに詳しく知りたい方は

ヴォイス社のブックコーナーのページをご覧ください。
→ http://www.voice-inc.co.jp/book.aspx

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