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コーチングコラム

21世紀の人材育成への視点

第4回 : コンピテンシーを活用する人材育成(2)

今回は「コンピテンシー・モデル」を導入し、成果を上げながら人材を磨いていく工夫についてお話したいと思います。

「コンピテンシー・モデル」とは、ある職務における複数のハイパフォーマー(高業績者)の共通する行動特性を整理したものです。
ブームのようだから、と「コンピテンシー・モデル」を作成してはみたものの、どのように運用したら良いか迷っている担当者が多いようです。
「大変」な思いをして取り組んだのに、その運用については放任状態だという企業も珍しくありません。「大変」なことは莫大なお金と時間がかかり、しかもリスクも大きいものです。「コンピテンシー・モデル」を「大変」なこととして取り組むのではなく、「小変」なこととして取り組まれたらいかがでしょうか。
「小変」なことは比較的コストも小さく、短時間で始められ、しかもリスクがほとんどないのです。修正可能で、柔軟性があるものです。

どの組織でも上位20%の人材は「仕事ができる人」です。その中の20%、つまり全体の中で上位4%の人材はハイパフォーマー(高業績者)と言っても良いのではないでしょうか。この人たちはリストラの対象にはならない人たちです。むしろ、辞めてもらっては困る「人財」でしょう。彼らの具体的な言動の中にコンピテンシーはあります。

成果志向のコンピテンシー導入プロセスを簡単にご説明します。職務を遂行する上で効果的な具体的言動を自己評価するとともに、複眼評価します。つまり、360度評価を実施します。そうするとコンピテンシー項目が絞られてきます。
そこでハイパフォーマー、あるいは「仕事ができる人」をコアメンバーにしてコンピテンシー項目内容をさらに具体的なレベルまでブレイクダウンするための自由なディスカッションを行います。GE(ゼネラルエレクトリック)社お得意のワークアウト方式で具体的な形にしていくのです。このプロセスを研修として運営することが可能です。

こうして一旦完成した「コンピテンシー・モデル」を実施する上で、実施責任者かつ応援団となってくれるのがこのプロセスに参加した「仕事ができる人」なのです。自分が参加し、意見を言い、とことん話し合って出来た「作品」を大切にしない人はいません。ここでの成功の鍵はオーナーシップ、つまり私が責任をとるという所有意識なのです。

数ヵ月後、一旦成果を見直すことによってもう一度手綱を引き締めることができます。コンピテンシーはナマモノですから、毎年のように探求することをお勧めします。

第5回 : リーダーシップを発揮する人材育成(1)

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