ビジネスで成果を上げる コーチングスキルアップ CCJ

コーチングコラム

コーチング − 管理職のための視点

第1回 : あなたはどういう人をコーチングしたいですか?

最近、コーチングという言葉が頻繁に目に入り、聞くようになってきました。アメリカン・フットボールやバスケットボールの人気の高い米国では名コーチはヒーローとして扱われてきました。そして1980年代後半からスポーツのコーチングだけではなく、様々な分野でのコーチが誕生していきました。

コーチとは元々4輪の馬車のことです。人間に使われ始めたのは、19世紀半ば頃、英国のオックスフォード大学の学生が自分の個人教授のことをコーチと呼んだという記録が残っているようです。その後、同大学のボート部の監督をコーチと呼び始めたということです。現在、サッカー日本代表チームを率いるのは、ジーコ監督ですが、監督は英語ではコーチです。

ジーコ・コーチは試合中、選手たちと同じフィールドにいますが、プレイをし、点数を入れるのは選手です。彼はゲーム全体を把握し、メンバーを入れ替え、指示を出し、承認を与え、質問をし、選手が勝利に向かって動けるような環境を生み出しています。練習のときにはジーコ・コーチは計画を立て、選手たちと一緒になって様々な指導をしています。メンタルな面でも、スキルの面でも、チーム総合力の面でも向上を図っています。その目的はドイツで開催されるワールドカップに出場し、決勝リーグに残るためです。彼らは目的を共有しているのです。

選手たちは日本代表チームのメンバーに選ばれ、そして自分自身を超一流のプロフェッショナルとして成長させるために、コーチを受け入れます。これがコーチとプレイヤーとの関係です。プレイヤーは自分を一流のレベルにするためにコーチを必要とするのです。その意図をもったプレイヤーを本人の望むレベルに到達することを援助するためにコーチは存在します。プレイヤーにもコーチにも一流たらんとする志が必要なのです。

さて、ビジネスにおける指導、コーチングも基本的には同じようにコーチとプレイヤーとの関係によって成り立つと考えて良いでしょう。あなた自身とあなたの部下は一流の仕事を成し遂げることに同意しているでしょうか? そして、ともに勝つことに同意しているでしょうか?

ビジネス・コーチングとは、企業・組織の管理監督者あるいは先輩が、部下後輩の指導育成のために行う相互の関わりの中で、対象者の目標達成、問題解決、技能向上を促進することを目的としたコミュニケーションである、と定義しています。プロフェッショナル・コーチが同じ目的で契約に基づき、対象者を援助することもあります。

「あなたはどういう人をコーチングしたいですか?」という質問をすると、「問題を抱えている人。困っている人。悩んでいる人。」と答える人がいます。それはむしろカウンセリングの対象者でしょうね。筆者は「勝つと決めている人。意欲的な人。素直な人。約束を守る人。有言実行する人。」をコーチングしたいと思います。実際そういう人こそコーチングを求めているのです。

第2回 : あなたは部下から信頼されていますか?

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